石坂税務会計事務所

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物の値段

平成26年 年頭所感          

昨年からことし(H25-26)にかけての年末、年始は土日が両端にきたため、長期の休暇となった。
スーパー、商店、ショッピング・モールの年末商戦をつぶさにみるのはおもしろい。
最近は「かまぼこ」に注目している。
たまに、小田原などに旅行するときは、地元の高級なのものを買ってしまうが、スーパー店頭には、通常ならば、一本100円クラスのものが多い商品だ。ふだんは値段にはあまり関心がない。
この商品、賞味期限は2週間ぐらいか。だから、12月10日ごろまでは、店頭に、年内の期限ものが並ぶ。ただし、年を超えた日付はない。品数はこころもち少なめになってくる。
12月20日を過ぎると、店内はお正月を迎えるモードとなり、値の安いものは一斉になくなるから不思議だ。一番目につくもので一本980円、なんと10倍近く、紅白パックの安いものでも1本600円ぐらいのものしか、出回らなくなってしまう。
12月25日のクリスマスが終わると、まさに正月商戦に力が入る。チラシをみるかぎり、各店舗とも高級かまぼこしかなくなって、通常の100円のものはローソン100ぐらいにしか置いていない ?

かまぼこ(とくに紅白の揃ったもの)は、通常の生活習慣で、どうしても食べたいものではなく、お正月の縁起ものだから、彩りに必要だから、欠くことのできないものだから購入する。生活必需品の、肉、野菜、魚のようなものなら、消費者マインドを刺激し、こんなに値が騰がればマスコミが先頭に立ち、大騒ぎに騒がれるにちがいない。
「三つ葉」、「きんとん」、「ごまめ」、「なます」、「伊達巻」もおなじだ。ただし、これらの商品は通常は常に店頭に並んでいるものではなく、よりお正月ならではの縁起物的色彩が濃い。いくらの値段なのかには関心がいかない。それに、無くたってお正月は迎えられる。一品欠けたところであまり影響はない。

物の値段は需要と供給の関係で成り立っていると言われる。まさにその典型。正月はふだんの月より需要があるから。というより、日本じゅうの商業界が正月商戦のもと、大騒ぎして需要を作り出している。また、消費者も、馬鹿高くったって、承知で? 購入するのだ。
他の業界からみれば、この種の商品を持つことは、うらやましいに違いない。ふだんの月に需要が無いことも、考えようによっては、他業種からや、大手の参入をしづらくしている。

正月料理の食材は、むかしは各商店が一斉に休みとなってしまったため、保存の利くことを考慮して発達した独特なもの。ところが、ライバルが休んでいるときが最大ビジネスチャンスということで、いまや、どこの商業施設も、1日もしくは2日から正月セールを行うのがあたりまえとなっている。だから消費者は、何もあらためて正月用品を購入する必要がないのだ。正月飾りをしない家も多くなった。門松があまり見られない。

この価格ギャップは異常である。いつまでこの状態が続くのだろうか? いっとき流行った価格破壊業者が出てこないとも限らない。
それに、消費者は気づき始めているにちがいない。